- 2008-10-25
- バイオインフォマティクス用語集
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ゲノムDNA配列の変化を伴わず,遺伝子発現を選択的に活性化・不活性化する機構により,遺伝的情報が子孫または娘細胞に伝達される現象,その学問をいう.
DNAのメチル化,ヒストンの翻訳後修飾によるクロマチン再構成による、DNAメチル化はDNAメチルトランスフェラーゼにより,CGが隣接してあるCpG配列に起こる.
プロモータのCpGアイランドがメチル化されると,転写因子の結合が弱くなったり,メチル化CpG結合タンパクが結合することにより転写が阻害される.メチル化は生殖細胞系列では受精から胚盤胞期までに完全に失われ,着床後に再度新規メチル化が生じる.
もう1つの機構はヒストンのN末端,ヒストンテールのメチル化,アセチル化,リン酸化,ユビキチン化,ADPリボース化による修飾で,転写が起こりづらいヘテロクロマチンと起こりやすいユークロマチンの間の遷移に関与する.DNAのメチル化とヒストンアセチル化は体細胞系列では娘細胞へ伝達される.動物では上記のように世代ごとにリセットされるが,植物ではリセットされない.最近,哺乳類でも完全にリセットされず,子孫に伝達されるものが発見されている.
その例としてはクローン羊ドリーをはじめとするクローン動物において 体細胞を元にクローンをつくる今の技術では元の体細胞のリセットが完全にされないままであるということがあげられる。これはクローン動物の異常な老化速度の原因のひとつとなっている。たとえば、ドリーに関しては生まれた際すでに六歳相当の老化が進んでいたそうだ。
またSNP解析が困難な理由の1つには遺伝子発現はエピジェネティックな機構により修飾されているので,必ずしもSNPと表現型の間に有意な関係が検出されないことによる.
2008年11月22日 「最近,哺乳類でも完全にリセットされず,子孫に伝達されるものが発見されている.」について追記しました。
Thanks iwaiyさん!(生物史から、自然の摂理を読み解く)
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Comments:4
- dyna URL 2008-11-24 (月) 23:01
直感も大事だと思いますよ!
そこから予想して理詰めしていく作業がつらいんですけどね^^;;
また情報がありましたら記事にまとめて配信していきますので今後ともよろしくお願いします。- iwaiy URL 2008-11-24 (月) 21:39
ご丁寧にお答え頂きありがとうございます!
参考になりました!
なるほど、クローンのことでしたか。
これは私の直感で根拠はまだないのですが・・・なかには(クローンではない通常の)哺乳類でも完全にリセットされない事象があるのではないか!?と想像しています。
また何か情報が入ったら教えてくださいね!
- dyna URL 2008-11-22 (土) 22:56
コメント&トラックバックありがとうございます。
ご質問の件に関しては自分の説明不十分から起きたものでした。申し訳ありません。
> 最近,哺乳類でも完全にリセットされず,子孫に伝達されるものが発見されている.
というのは私としてはクローン動物というかなり例外的な事例に関して完全にリセットされないという意味で書きました。
説明不十分でしたので記事の方にもご指摘内容を反映させていただきます。
これについて詳しく説明されていただきますと、
クローン羊のドリーを例にあげます。
普通のヒツジと変わらないとされたクローン羊:ドリーですが、その後に、ドリーは異常に加齢が早いことがわかりました。誕生時に遺伝子が既に6歳相当であったとも伝われています。
そのほかにもクローン牛、クローンヤギ、クローンマウスといったクローン動物にも命が短いという異常が見つかりました。
そしてこの異常の原因というのはリセットが完全にされず次の発生段階へとすすむからだとされています。
現在の体細胞を利用するクローン技術では、クローンの元とした体細胞の初期化が十分されないから、だと見たことがあります。
またご意見などございましたらよろしくお願いします。
- iwaiy URL 2008-11-22 (土) 21:04
こんにちは。
私も「エピジェネティクス」について考えているのですが・・・
http://www.biological-j.net/blog/2008/11/000611.html
(コメント部分で一部引用させていただきました)
> 最近,哺乳類でも完全にリセットされず,子孫に伝達されるものが発見されている.
このあたりをもう少し詳しく知りたいな〜と思っています。
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